固くなった土に酸素と水分を供給

 当果樹園のある山形市の朝の気温は、10月に入ると一桁台を記録するようになりました。山形地方気象台によれば5日に、県の中央部にある月山(標高1,984m)で初冠雪を観測したとのこと。平年より13日、昨年より20日も早いそうです。確かに同日の朝、わが家では今シーズン初めてファンヒーターのスイッチを押しました。
 さて、当果樹園では先ごろ、「グロースガン」と呼ばれる農業用機械を用いて土壌改良を行いました(写真参照)。これは、中が空洞になっている直径5㎝ほどの金属ノズルを土中に60cmほど打ち込み、圧縮空気を噴射して酸素や肥料などを供給するためのものです。下の写真で見ますと、赤いパイプの柵の内側にある銀色の金属棒がノズルです。

↑グロースガン。人がゆっくり歩くほどの速さで移動します。

 農業では畑などの面積拡大に伴い、作業の効率化や身体的負荷の軽減のために大型機械を導入するのが一般的です。当果樹園でも農薬散布のための乗用噴霧機を保有していますが、その重量は薬液を加えると1トンを超えます。この乗用噴霧器は1年に何度か果樹の近くを走るわけですが、踏まれた土は次第に固くなっていきます。特に地下深いところは、なかなか手を加えられないためなおさらです。そして、土が固くなってしまうと酸素や水分が供給されにくくなり、果樹の根の生育にも影響を及ぼしてしまいます。グロースガンを活用した作業は、こうした土中の環境を改善させるためのもので、毎年計画的に行っています。
 なお、ほかにも土を掘りおこして表層と深層を入れ替える方法などがあります。当果樹園では、こうした方法を組み合わせることで土壌改良を行い果樹の生育を促すようにしています。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 土壌改良もめちゃくち大変ですね。東京も今日は冷え込みましたが、もうファンヒーターですか。風邪ひかないように気を付けてください。

  • 何だか聞いたこともないことを教えてもらってるようで…色々技術の進歩は凄いね。社内でも急な冷え込みで風邪っぴきが増えてるような感じです。くれぐれも体調管理には気を付けよう、お互いに。

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